北茨城市の五浦(いづら)に岡倉天心の設計によって建設された六角堂。
横山大観、下村観山、菱田春草などが創作に励んだ地としてしられます。しかし、昨年の東日本大震災の津波によって流失するという事態に見舞われてしまいました。その後、地元では、再建への取り組みが進められ、先月ついに新たな六角堂が完成しました。これを記念し、「五浦と岡倉天心の遺産展」と題した展覧会も開催され、注目を集めています。
そこで今月は、この六角堂で天心とともに新たな日本画の創造を目指した横山大観の名作『夏之海』をご紹介します。岩が海にそそり立ち、しぶきをあげながら波が岩肌をたたく。そして、波間をかすめて彼方に飛翔していく一羽の鵜。月明かりに照らし出された神秘的な風景は、まるで五浦の海を思わせるようです。どうぞ、本作で大観芸術の真髄をご堪能ください。